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共同生活援助(グループホーム)

グループホーム(共同生活援助)の指定申請を、行政書士に頼まず自分でやる方法

私はこれまで、グループホーム(共同生活援助)の指定申請を、行政書士に頼まずに自分でやってきました。この記事では、そのとき私が実際にやった順番に、何をして、どこで苦労したかを書きます。

「指定申請」とは、障害福祉サービスの事業所として「指定」を受けるための申請です。利用する方のサービスの費用は、市町村から給付費として事業所に支払われます。この仕組みでサービスを提供するには、事業所が都道府県(または一部の市)の指定を受けている必要があります。

これからグループホームを開こうとしている方、申請を自分でやってみたいと考えている方に向けた記事です。行政書士に頼むのも一つの方法ですが、自分でやることもできます。

申請の書類は、国(厚生労働省・こども家庭庁)が決めた共通の様式が土台です。そのうえで、細かいところが自治体によって違います。この記事では、国の資料を中心に確かめたことを書き、出典を最後にまとめました。

まず、申請の全体の流れ

最初に、公式資料で確かめた全体の流れを書いておきます。私の経験は、次の見出し(物件探し)から順に書きます。

申請を出す先は、県か市か

申請を出す先は、事業所を置く場所で決まります。多くは都道府県ですが、一部の市では、県ではなく市が窓口になっています。

まずは、事業所を置く予定の市町村と都道府県のページを開いて、「指定申請」「共同生活援助」の案内がどこに載っているかを探すところから始めます。

土台は、国の共通の様式

指定申請の書類には、国が決めた共通の様式(標準様式)があります。こども家庭庁長官と厚生労働大臣が定める様式で、令和8年4月に施行されました。

厚生労働省のページには、標準様式と「指定申請書類一覧」が載っています。一覧には、サービスの種類ごとに、申請書に付ける書類が示されています(共同生活援助の分は、下の「いちばん苦労したこと」で紹介します)。

まずは国の様式と一覧で全体をつかみ、そのうえで申請先の自治体の案内を確かめる、という順番がおすすめです。

自治体によって違うところ(兵庫県の例)

国の様式が土台でも、窓口、締切、指定日、添える書類などは自治体によって違います。例として、兵庫県の資料で確かめたことを、次の表にまとめます。ほかの自治体では違うことがあるので、表の項目を目印にして、申請先の自治体の手引きを確認してください。

自治体によって違う点(兵庫県の例・共同生活援助の新規指定)
項目兵庫県の例
申請の窓口事業所がある地域の県民局(健康福祉事務所)。一部の市は、市が窓口
申請の前来庁して相談したいときは、提出先に前もって電話する。指定日は審査の担当者と前もってよく相談する
申請の締切希望する指定日の1か月半前まで(4月1日の指定は1月末まで)
指定日原則として毎月1日と15日
審査の期間休日を除く30日程度
作る部数・出し方正本1部・副本1部(副本は手元に残す)。郵送もできる
手数料かからない
指定の有効期間原則6年間(終わるまでに更新の手続きが要る)
必須の書類24項目。国の一覧の書類に加えて、事業計画書、収支予算書、賠償責任保険の加入証書の写し、地域連携推進会議の概要など
運営規程県独自の基準の内容も盛り込む
物件居室は1人1室で7.43平方メートル以上(4.5畳相当)。消防との協議と建築基準法の協議が必要。市街化調整区域では都市計画法の開発協議が必要

※ 2026年9月30日に、兵庫県のページ・てびき(令和8年4月)・提出書類一覧で確かめた内容です。期限や日付は変わることがあるので、申請の前に必ず最新の内容を確かめてください。

注意:令和8年6月1日以降に指定を受けると、報酬の単価が変わります

厚生労働省の資料によると、令和8年度の報酬改定で、令和8年6月1日以降に指定を受ける共同生活援助(介護サービス包括型・日中サービス支援型)の事業所には、令和9年度の報酬改定までの間、「応急的な報酬単価」(一定程度引き下げた基本報酬)が使われます。重い障害のある方への支援にあたる加算を算定している場合や、サービスが足りない地域などへの配慮として、対象外になる場合もあります。開く時期を考えるときは、国や自治体の最新の案内を確かめてください。

私自身は、申請の全体に何か月かかったかを、正直もう覚えていません。かかる期間は、申請先の自治体の手引きで確かめてください。

物件探し:広さ・場所・大家さんの許可

私が最初に始めたのは、物件探しです。そして、ここが最初の大きな壁でした。

見るところは、広さ、場所、そして大家さんの許可です。グループホームとして使ってよいという許可をもらえず、2件断られました。

OKをもらえたのは、いくつも物件を持っていて、家賃収入を事業として考えている大家さんでした。そういう考え方の大家さんだったので、OKをもらえました。

物件には、国の基準で決まった条件があります。居室の広さや、居間・食堂・浴室などの設備です。事業所の平面図や設備の概要は、申請書類にも入ります。また、消防法・建築基準法・都市計画法などの確認も必要になります。細かい条件は、申請先の自治体の手引きで確かめてください。

ポイント:借りる前に、消防署に相談を

障害の重い方が利用するグループホームなどでは、自動火災報知設備やスプリンクラー設備などを付けることが義務づけられています。事業を行う前に地元の消防署に協議して、必要な防火対策を確かめておくと、借りたあとで困ることを減らせます。

書類の一覧をダウンロードして、作れるところから全部作る

物件のめどが立ってからは、役所のページから必要書類の一覧をダウンロードして、とりあえず作れるところは全部作りました。

事前協議(申請の前に、役所と場所や設備などを確かめる手続き)には、そのあとで行きました。書類をある程度そろえてから行ったので、事前協議は1回で済みました。

書類の一覧は、国の標準様式のページにも載っています。事前協議があるかどうか、どんな資料を持って行くかは、自治体によって違うので、申請先の自治体の手引きを確認してください。

ポイント:先に作ってから事前協議に行く

一覧を見て、作れる書類から先に作っておくと、事前協議の場で「何が足りないか」がはっきりします。私はこのやり方で、事前協議が1回で済みました。

いちばん苦労したこと:書類の枚数が多い

振り返って、いちばん苦労したのは書類の枚数の多さです。運営規程やマニュアルなども含めて、とにかく作る書類がたくさんありました。

マニュアルは、自分でネットで探して、自分の事業所に合うように、全部読みながら直していきました。

参考に、国の「指定申請書類一覧」で、共同生活援助の申請書に付けるとされている書類を並べると、次のとおりです。

  • 従業者の勤務の体制と勤務形態(勤務体制一覧表)
  • 登記事項証明書(法人の登記の証明)など
  • 事業所の構造の概要、平面図、設備の概要
  • 管理者・サービス管理責任者の経歴書
  • 利用者や家族からの苦情を解決するための仕組みの概要
  • 誓約書
  • 運営規程
  • 協力医療機関(協力歯科医療機関を含む)との契約の内容
  • そのほか指定に必要なもの(例:職員の資格証明書の写し、社会保険・労働保険への加入状況の確認票、収支の書類、賃貸借契約書)

国の一覧だけでもこれだけあり、自治体によっては、事業計画書や収支予算書などがさらに加わります。これとは別に、報酬の算定に関わる届出なども必要です。

このうち運営規程(事業所の運営のきまりをまとめた文書)は、事業所ごとに作る必要があります。書かなければならない項目が国の基準で決まっているので、それを満たすように作ります。

同じことを何度も書く

枚数が多いうえに、同じことを何度も書きます。私の場合、特に何度も書いたのは、事業所の住所と管理者名です。エクセルとワードを行ったり来たりしながら、同じ内容を何度も書く作業が続きました。ひたすら入力する毎日でした。

もう一つ手間がかかったのが、勤務形態一覧表です。人員基準を満たしているかを考えながら作る書類で、書き方も介護のときとは違ったので、何度も直しました。

注意:1か所直したら、ほかの書類も

同じ内容を何枚にも書くので、住所や管理者名などを1か所直したときは、ほかの書類も同じように直っているかを見直してください。

協力医療機関(提携する医療機関)を決める

書類づくりと並んで、初めて立ち上げる方が迷いそうなのが、協力医療機関(提携する医療機関)です。

グループホームでは、利用する方の病状が急に変わったときなどに備えて、あらかじめ協力医療機関を定めておくことが、国の基準で決められています。歯科についても、協力歯科医療機関を定めておくよう努めることとされています。

私の場合

私は以前からの付き合いがあったので、協力医療機関では困りませんでした。提携先は、内科が中心で、入院もできる地域の病院です。

申請のときは、提携していることが分かるように、書類に病院のハンコをもらいました。費用は、私の場合は無料でした。ほかの事業所がどうしているかは、分かりません。

申請で出すもの

国の「指定申請書類一覧」では、共同生活援助の申請書に付ける書類として、協力医療機関との契約の内容(協力歯科医療機関との契約の内容を含む)が挙げられています。様式や書き方は自治体によって違うので、申請先の自治体の様式で確認してください。

協力医療機関が決まりにあるサービス・ないサービス

ほかのサービスも開く予定がある方のために、国の基準で確かめた範囲を書いておきます。

  • 定めておくことが決まっている:共同生活援助(グループホーム)、生活介護、短期入所、施設入所支援、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援A型・B型
  • 決まりがない:居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護(訪問系)、就労定着支援、自立生活援助、計画相談支援・地域相談支援(相談支援)
  • 別の書き方になっている:重度障害者等包括支援は、「協力医療機関」ではなく、主な利用者に関する専門医がいる医療機関と協力する体制を持つこと、とされています

感染症への備え(2024年度に加わったこと)

グループホームでは、2024年度(令和6年度)の改定で、感染症の法律に基づく「第二種協定指定医療機関」(新しい感染症が広がったときに医療を担う医療機関)との間で、新しい感染症が起きたときの対応を取り決めるよう努めること(努力義務)が加わりました。

また、協力医療機関がその第二種協定指定医療機関でもある場合は、新しい感染症が起きたときの対応について、協議を行わなければならないとされています。

もう一つ苦労したこと:利用者探し

書類とは別に、もう一つ苦労したのが利用者探しです。

当時、私の地域では、利用者2人以上と契約してからでないと、指定が下りませんでした。書類がそろっても、利用する方が決まらなければ先に進めなかったのです。

私は、知り合いの事業所を通じて、利用する方を見つけました。

注意:今の条件は、自治体に確かめてください

「利用者2人以上との契約」は、当時の私の地域での経験です。今もそうなのか、ほかの地域でも同じなのかは、私には分かりません。今の条件は、必ず申請する自治体に確かめてください。

もう一度最初からやるなら

もう一度最初からやるなら、同じことを何度も書かなくて済む道具を先に用意してから始めます。

住所や管理者名のように何枚にも出てくることは、一度入れたら、ほかの書類にも使われるようにしておく。そうすれば、書く手間が減った分、中身を確かめることに時間を使えます。

その考えで作っているのが、下で紹介している RAZ です。

まとめ

グループホームの指定申請は、行政書士に頼まなくても、自分でできます。私の場合、つまずいたのは、物件探し(大家さんの許可)、書類の枚数の多さ、そして利用者探しでした。

進め方のコツは、国の共通の様式と書類の一覧で全体をつかみ、作れるものから作ってから事前協議に行くことです。期限や必要な書類は自治体によって違うので、申請する自治体のページで、必ず最新の内容を確かめてください。

出典・参考

上のページは に内容を確かめました。制度は変わることがあるので、最新の内容は各ページで確かめてください。